当農園について

–八女茶の歴史、徳柴農園の始まり–

 

チャットGPT
私たち徳柴農園は、全国有数の高級茶の産地として有名な福岡県八女市にて、無農薬の日本茶を生産しているチームです。代表の堀内利治によって2016年よりお茶作りを始め、思いを共にする若者達とともにお茶作りに情熱を注いでいます。

 

【八女市笠原地区について】

「茶といえば八女、八女といえば茶」とは江戸時代からのことわざ。

全国的に有名な八女茶は笠原地域が発祥です。その歴史は1423年に遡り、栄林周瑞とい禅僧は、中国の霊厳山寺で留学し、茶の種を日本に持ち帰りました。その後、彼は全国を旅し、最終的に筑後郡鹿子生村(現在の笠原地区)に到着しました。彼は中国蘇州の霊隠寺を彷彿とさせる風景を見つけて驚き、またこの地が茶栽培に最適であると判断し、この地に霊巌寺を建立し、禅の修行と茶の栽培・加工技術の伝承に尽力しました。これが八女茶の起源とされています。

(霊巌寺山上の主瑞師像と笠原の眺め)

 

やがて、緑茶の種と栽培技術が八女地域に広がりました。私たちの農園はこの笠原地区の、霊巌寺のすぐ近くの山々で栽培されています。

(山林の中にある私たちの茶畑)

 

この地域は緑豊かな山々に囲まれ、朝晩涼しい温暖な気候に恵まれており、お茶の栽培には理想的な環境条件です。このような理想的な環境と先人たちの努力により、八女茶は江戸時代の頃には指折りの高級茶の産地として全国的に高く評価されてきました。

【徳柴農園の始まり】

現代の農業傾向は農薬や化学肥料を使用した効率的な大量生産に傾いており、平地栽培でもお茶の栽培が可能になり、作業効率のいい平地での栽培が好まれています。また近年の農薬代、肥料代の高騰、ペットボトルのお茶が主流となったことによる需要の減少によって笠原地域では、多くの農場が廃業しています。

そんな状況の中2016年に、当農園の代表の堀内がこの地で耕作放棄された茶畑を引き継ぎ、完全無農薬に切り替えてお茶の栽培を始めました。今では思いを共にする若者たちと、「安心安全で美味しいお茶作り」を追求しています。

–私たちの取り組み–

【有機的なアプローチ】

一般に、化学肥料を使用していないお茶は風味が薄いと言われています。しかし、私たちは自家製堆肥を活用することでお茶の品質を高めます。

自社で堆肥小屋を所有し、堆肥の原料にはきのこの廃菌床、籾殻、米ぬか、竹チップ、炭などを発酵させて作ります。

堆肥により、窒素分を補給し、お茶の味に深みを出し、土中の菌の活動を活発化させて、ふかふかの土を作り、病気に強いお茶の木を作ります。

現行の慣行栽培では、虫や菌、雑草などは外敵扱いされ化学物で消滅しようとされますが、私たちはそのような化学物、化学肥料を一切使わず、畑に住むあらゆる生物、植物と共存しお茶作りを行っています。

また、山間地帯の高地に位置する私たちの農場では、そもそも害虫が少なく、大規模な害虫駆除対策を必要としません。

このように、伝統あるこの地域の「地の利」を活かし、農薬・化学肥料・除草剤を一切使用せず、安全で美味しいお茶をお届けできるよう努めています。夏場は草取りや草刈りは大変ですが、私たちはこの取り組みに誇りを持っています。

( 堆肥作成中の写真と畑のふかふかの土)

 

製造のプロセス】

お茶の出来の半分以上は、製造の工程で決まると言っても過言ではありません。一般的なお茶産業では、収穫したお茶は工場に委託されて製造されることが多いですが、徳柴農園では廃業した工場を引き継ぎ、自社での製造を行っています。

生葉の状態や品種、その日の天候などを考慮しながら、蒸し時間や機械の温度、風の量などを細かくコントロールして仕上げていきます。実際、蒸し時間がわずかに異なるだけでも全く異なる仕上がりになるため、非常に繊細で熟練を要する作業です。

また、私たちは緑茶だけでなく、紅茶やほうじ茶も製造しています。これらのお茶は工程が異なるだけで、同じ茶葉から作られています。それぞれの茶葉に適した加工法があり、その加工も微妙な調整で変わってきます。

「お茶の出会いは一期一会」。全てのお茶の加工過程にはノートを取り、うまくいった加工をできるだけ再現しようと努力していますが、それでもうまくいかないこともあります。お茶づくりは奥深く、極めがいのある仕事であり、私たちは常に試行錯誤を繰り返しながら、より美味しいお茶作りを追求しています。お茶づくりの複雑さと深さに向き合いながら、最高品質のお茶を提供することを目指しています。


 

また、私たちは楽しみながらこの仕事に取り組んでいます。私たちが土づくりよりも製茶の技術よりも一番大切にしていることは、全ての工程を「楽しむ」ことです。お茶は植物であり、その環境のバイブレーションが最も品質に影響を与えると信じています。そのため、作業中は好きな音楽をかけたり、時には冗談を言い合ったりしながら、バイブスを高めて楽しみながら仕事をしています。私たちにとって、楽しむことが一番大切な要素であり、その喜びがお茶の品質にも反映されていると信じています。

 

健康茶を安全に

お茶は古くより、嗜好品であるとともに、薬用品としても使われてきました。お茶は多くの健康効果があるとされています。以下に一般的なお茶の効能をいくつか挙げてみましょう。

1.抗酸化作用: お茶に含まれるカテキンやポリフェノールなどの成分は抗酸化作用があり、体内の活性酸素を抑えることで細胞のダメージを軽減する助けになります。

2.緊張緩和: お茶に含まれるアミノ酸やテアニンが、リラックス効果をもたらし、緊張を和らげる効果があります。

3.代謝向上: カフェインが含まれるお茶は代謝を活性化させることで、エネルギー消費を促進する効果があります。

4.血圧の調整: お茶には血圧を下げる効果があるとされ、高血圧予防に役立つことがあります。

5.免疫力向上: お茶に含まれる成分が免疫システムを強化し、体内の抵抗力を高める効果があります。

6.血糖値の安定: お茶には血糖値の上昇を緩やかにする働きがあり、糖尿病の管理に寄与することがあります。

7.脂肪の分解: カテキンが脂肪の分解を助け、ダイエットや脂肪減少効果を期待できます。

8.歯の健康: お茶に含まれるフッ素やタンニンが、歯の健康を保つ効果があり、虫歯予防に寄与します。

9.脳の活性化: カフェインやアミノ酸のテアニンが、注意力や集中力を向上させ、脳の活性化を促すとされます。

10.心臓疾患の予防: お茶に含まれる成分が血液の流れを改善し、心臓疾患の予防に寄与すると考えられています。


などなど、お茶にはたくさんの健康効果があります。その一方で、今出回っているお茶には農薬による害がしばしば言われます。国内の日本茶にはヨーロッパの基準の700から2500倍の残留農薬(製品に残留する農薬の量)が許容されていて、農薬による人体や環境への悪影響が懸念されています。また、慣行栽培で作られたお茶は、欧米諸国に輸出することができません。

私たちは、お茶は美味しい物であると同時に環境や健康に良くなければならいと考えています。

私たちは、日本の有機認証「有機JAS」を取得しています。ただし、有機JASでは、規制により特定の農薬の使用が認められています。そのため、有機JASラベルだけではお茶の安全性を完全には証明できないと考えております。そこで独自に200種類の化学物の残留検査を実施しました。この検査の結果、私たちのお茶からはいかなる化学物質も検出されませんでした。

 (200項目の残留農薬検査結果)

 

このようなこだわりの作り方、取り組み、また栽培から製造、包装までを徹底して行うことで、より安心して選んでいただけるお茶をお届けします。また、堆肥づくりの研究や新たな製法の探究、製茶への情熱を持ち、お茶の美味しさを独自に追求しています。

 

 

 

–最後に、私たちのビジョン–

現在の茶産業において、従来の方法や販売方法では限界に達し、後継者不足が深刻な課題となっています。この現状を踏まえ、私たちは変革を求めています。

昔ながらの生産法、特に無農薬で堆肥を主体としたアプローチを通じて、本物のお茶作りを目指しています。

私たちの農園では、環境への負荷を最小限に抑えつつ、お茶の品質を高めるために従来の農薬を使わない生産法を導入しています。この取り組みにより、自然との調和を大切にしながら、お茶を育てています。

同時に、私たちは生産者と消費者が直接繋がることにも力を注いでいます。生産者の顔が見えることで、消費者は安心してお茶を楽しむことができます。さらに、消費者との直接のつながりを通じて、本物のフェアトレードを実現し、生産者にも適切な利益が還元される仕組みを築くことを目指しています。この取り組みは、未来にも続く持続可能な茶産業を創り上げるための大きな目標です。

私たちはこれらの価値を大切にし、お茶作りの魅力と誠実さを伝え、良質なお茶を提供しながら、歴史があり、廃れかけているこの地の茶産業全体の発展に貢献していくことを目指しています。


(徳柴農園の仲間達)